Wednesday, April 25, 2012

こーちゃっと: Windows 7最適化計画


ハードの組み立ては完了したので、引き続きWindows 7のインストールに取り掛かる。

今回やりたかったのは、以下の2つである。

  • SSDの寿命を伸ばす
  • Windows 7 SP1を統合してセットアップする
前者については、SSDにはHDDと違って寿命がある(厳密にはHDDにも寿命はあるが)という話をどこかで聞いたことがあったので、SSDの寿命について調べていたところ、どうやら書き込み回数が少なければ少ないほど、空き領域が多ければ多いほど寿命が伸びるらしい。ということで、さらに色々と調べていると、こちらのサイトで、UsersとProgramDataを別ドライブに移動するというやり方が書かれていたので、興味を持つ。また、このサイトが参照している元のサイトを見ると、何やら「unattend.xml」という見慣れないXMLファイルを見る。

unattend.xmlとは、Windowsの無人インストール用の設定ファイルであり、これを使えば自分でコマンドを打たなくてもインストールの最中に入力を代理してくれるものらしいが� �これにはいくつかのパス定義も含まれているらしい。そこで、unattend.xmlで更に調べたところ、このサイトにほぼ自分がやりたいことに近いことが書かれていたので、このやり方を試すことにした。

unattend.xmlは、出来合いのものを使っても問題ないとのことだったが、直前のリンク先にあるサイトのzipファイルには環境に依存するパスが書かれていたので、少し気になり更に調べたところ、マイクロソフトの公式サイトに、このファイルの作成方法として、Windows自動インストールキット(WAIK)を使うとあったので、これを使って自前で作成することにした。

後者については、nLiteのWindows 7版と言えるRT Se7en liteをすぐに見つけるが、こちらのサイトによると、SP1を統合するためにはベータ版を使う必要があるということで、少し悩む。同時に複数個をやろうとするとトラブルのもとであるし、今回はSSD環境への最適化が主目的ということで、止めようかとも思ったのだが、WAIKを使う際にWindows 7のDVDの中身が必要そうだったので、せっかくコピーするなら統合ディスクも作ってしまおうという事で、両方を同時に実施することにした。

※以降の手順は、特定の環境において成功した事例であり、全ての環境において必ず成功することを保証するものではありません。もしあなたがUsersの移動やWindows 7 SP1統合ディスクの作成に興味がある場合、今回の内容が役立つ可能性はありますが、仮にうまくいかなかったとしても、本サイトは一切の責任を負わないものとします。


どのように私はオートスタートに私のCD-ROMドライブを取得するには
  1. 事前準備
以降の処理をするためには、Windows 7のインストールディスクの内容をローカルにコピーしておく必要があるので、nLiteの時を参考にし、「xcopy /E /F /H /V」でコピーする。また、新規セットアップの場合は関係ないが、作り直しなどの場合は、必要なデータをシステムドライブから他の場所に移しておいたほうがいいだろう。

というのも、XP→XPの場合は特に何もしなくてもアクセスさえ出来れば他のディスクの内容にアクセスできるので、作り直す場合でHDDも変える場合、セットアップ完了後に古いHDDを繋いで吸い出すことが容易に出来たが、Windows 7では(厳密にはVistaからだと思うが)UACのために、(XPのデータでも)個人データにアクセスするためにはいちいちフォルダのアクセス権限を取得しないとアクセス出来ない(当然ながら、作り直し前のユーザと作り直し後のユーザはWindowsからは別ユーザとして認識されるため)。

コマンドラインから権限を一括変更することも可能ではある(自分が最初に7を作った際にXPのユーザデータを抜くときは、そうした)が、初心者には敷居が高く(初心者が自作するかという話は置いておいて)、出来るといっても面倒であることには変わりはないので、思いつく限りデータの移動はしておくことをおすすめする。見逃しやすいデータとしては、マイドキュメント付近(XPならDocuments and Settings以下、7ならUsers以下)で、ゲームのセーブデータがこの辺りに保存されている場合もけっこう多い。ゲームのセーブデータを引き継ぎたい場合で、インストール先にセーブデータがなさそうな場合は、この辺りも調べてみると良いだろう。

  1. unattend.xmlの作成
既出の通り、これは出来合いのものでも問題ないと思うが、気になるという人もいるだろうし、自分もそうだったので、自前で作るやり方を書く。

Windows AIKはマイクロソフトのダウンロードサイトでダウンロード出来るので、こちらから入手する。ファイルはISOなので、DVDに焼くか7-ZipなどのISOを解凍できるソフトを使ってsetupを抽出し、インストールする。


"/ dev/vmnet1を開くことができませんでした"

インストール完了後、「Windows システム イメージ マネージャ」を実行する。まず「ファイル」→「新しい応答ファイル」で、中央ペインに応答ファイルの雛形を作る。次に、「ファイル」→「Windows イメージの選択」で、先ほどコピーしたインストールディスクのフォルダから「sources」→「install_Windows 7〜.clg」というカタログファイル群から自分の使っているエディションのカタログを選択すると、左下ペインにカタログデータ(regeditのツリーのようなもの)が出来る。自分の場合はUltimateだからか「HOMEBASIC」「HOMEPREMIUM」「PROFESSIONAL」「ULTIMATE」の4つのカタログがあったが、他のエディションなら少ないかもしれない。少なくとも自分のメディアのエディションはあるはずなので、それを選べば問題ない。

その後、「編集」→「検索」で「ProfilesDirectory」や「ProgramData」で検索すると、2箇所ヒットするはずなので、直上の「FolderLocations」を選んで右クリックメニューから「設定に追加」というのを選び、2つとも応答ファイルに設定を追加する。続いて、中央ペインのそれぞれの「FolderLocations」を選ぶと、右ペインに「ProfilesDirectory」と「P rogramData」が表示されるので、「ProfilesDirectory」に「D:¥Users」、「ProgramData」に「D:¥ProgramData」と入力し、最後に「ファイル」→「名前を付けて保存」で「unattend.xml」として保存する。フォルダ名や保存ファイル名は違うものでも大丈夫だと思うが、前者でE以降のドライブを指定するのはおすすめしない。また、この時作成したXMLファイルをインストールディスクの内容をコピーしたフォルダ内にコピーしておくことをおすすめする。ちなみに、このXMLへの出力順は、入力順になるようで、値を書いた順によって、「ProfilesDirectory」が上になったり「ProgramData」が上になったりするが、多分問題ないと思う。気になる人は、「ProfilesDirectory」から書くようにすると良い。


どのようにベータテストVistaへの
  1. SP1統合セットアップディスクの作成
RT Se7en liteの公式サイトからSP1統合に対応した版をダウンロードする(ちなみに、自分が作成したのはBeta 2.6.0である)。また、Windows 7 SP1はここからダウンロードする。

RT Se7en liteをインストール後、当該プログラムを起動する。起動後、中央辺りのボタン(英語だと「Browse」、日本語にした場合は「参照」)を押下し、インストールディスクの内容をコピーしたフォルダを選択する。出てくるダイアログにて自分の使っているエディションを選択し、左下の「Slipstream Service Pack」のチェックをオンにする。すると、続いてサービスパックを選択する画面が出てくるので、ダウンロードしたサービスパックのファイルを選択すると、SP統合作業が始まる。ちなみに、自分の場合は40分程度かかったが、スペックによっては1時間近くかかるかもしれないので、お茶でも飲みながらのんびり待つ。

統合が完了すると、緑の矢印ボタンが有効になるので、それを押すとメイン画面に移る。続いて、左側のボタン群から「タスク」のボタンを押し、一番下の「ブータブルISO」をチェックすると、左側のボタン群の「ブータブルISO」が有効になるので、これを押し、「Create Image」モードを選択して「ISO作成」ボタンを押し、ISOを作成する。ここも少し時間がかかるので、お茶でも飲みながら待つ。なお、この際にインストールディスクの内容をコピーしたフォルダにXMLファイルが入っていると、ISOにXMLファイルが含まれるので、便利である。最後に、ISOをブランクDVDに焼く。USBブートにも出来ると思うが、自分はやったことがないので、そのやり方はここでは説明しない。必要であれば各自で調べてほしい。また、nLiteのように不要なコンポーネントの削除も出来るようだが、これについてもここでは説明しない。

  1. Windows 7のインストール
作成したブータブルメディアをセットし、BIOSで必要なブート設定をし、メディアからセットアップを起動する。セットアップ画面では、左下の「修復する」といったメニューを選択すると、「システム回復オプション」が出てくるので(自分は新しいSSD、HDDだったのですぐにシステム回復オプションが出たが、Windowsインストール済みのディスクを使った場合は、何度かメニューが出るかもしれないので、それらをキャンセルしていくとシステム回復オプションが出るらしい)、「コマンド プロンプト」を選び、コマンドプロンプトを起動する。

起動後、diskpartコマンドでDドライブを作成する。時間がかかるので、他の用事でもしながら待つ。なお、ここではWindowsをインストールするドライブ(今回の場合はSSD)は作成しない。


diskpartの使い方は、ここでは説明しない。ちなみに、他のPCがあるなら予めフォーマットしておけばこの手順は省略できるが、新しいディスクをそのためだけに旧環境に配置するのもどうかと思ったので、実験的にここでのフォーマットを実施した結果、うまくいった。なお、通常フォーマットは上記の通り時間がかかるので、ここまでにCPUの温度(の上がり方)やデバイス接続状態をBIOSなどで調べ、途中で落ちないように気をつけておきたい。

フォーマット完了後、Xドライブ(特にドライブレターを変えていなければデフォルトのコマンドプロンプト初期ドライブ)の直下に移動し、setup /unattend:[unattend.xmlのパス]と入力する。

メディアのあるドライブは、予めdiskpartなどで調べておくとよいだろう。入力すると、セットアップが再起動するので、「今すぐインストール」を実行し、インストールを開始する。

Windowsのインストール先を選ぶ画面で、今回はSSDを選択する。ちなみに、自分はSSD全体をひとつのドライブにしたかったので、未割り当てのSSDを選択して進んだが、必要であればここでパーティションを切る。ここでパーティションを切る理由は、システム予約として100MB取られるからであり、予め先程のdiskpartでいっぱいにパーティションを切っておくと、ここでエラーになる可能性がある。注意したい。

その後は、ユーザ入力画面までインストールを続ける。ユーザ入力画面になると、ユーザ名を入力せず、Shift+F10を押すと、コマンドプロ� ��プトが出現するので、正しく設定されているかを確認する。

DドライブにUsersが出来ていれば成功。出来ていなければ、ここでコマンドを入力してDに直すこともできるらしいが、ここでは説明しない。

最後に、Windows 7起動後、Cドライブを名指しで指定する機能のために、管理者ユーザでコマンドプロンプトを実行し、CドライブからDドライブへのジャンクションを以下のコマンドで作成する(Cに下記のフォルダがある場合は、削除して実行する)。

mklink /J C:¥Users D:¥Users
mklink /J C:¥ProgramData D:¥ProgramData

また、システム環境変数TMPとTEMPがCドライブになっているので、これもDに変えておいたほうが良いだろう。

更に、仮想ディスクも容量を食うので、CドライブからD以降に設定し、再起動して完了。


Cドライブ。ジャンクションは、エクスプローラではショートカットのように表示される。


Dドライブ。


現在プログラムをいくつかインストールしているが、Cドライブの使用量は1/4程度で、十分に余裕がある。これでSSDの長持ちを期待したい。ちなみに、SSDの効果は抜群で、セキュリティソフトの起動時間がかなりかかっていたものが、数秒程度になり、すぐにWindowsを使えるようになった。SSDは偉大だ!

注意として、インストールの際には、メディアのドライブ、Windowsをインストールするドライブ、UsersとProgramDataを置くドライブ以外は作っておかないほうがいいだろう。今回は上記以外にリムーバブルメディアドライブがある状態でインストールし、何とかうまくいったが、Windowsインストーラがドライブレターをどのように割り当てるかは分からない。リスクは減らしておくに限る。



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